朝、散歩がてら外にでた。少年野球の大会がでおこなわれている。
自分もたしか小学3年生か4年生の頃に、少年野球のチームにはいり、毎週日曜日に練習していた。家でも素振りや壁あて、父親とキャッチボールをしてもらい6年まで続けた。だけど、けっきょくレギュラーにはなれなかった。
中学ではさんざん迷って野球部にはいったが、坊主にするのがいやで2学期からサッカー部にはいった。高校では部活はやらなかった。
少年野球の試合をしばらく見ていた。親御さんと子供たちがワーワーキャーキャーと応援している。自分も中学、高校と野球を続けていたら、地元の少年野球チームのコーチなんかしていたかもしれない。
少年野球で子供を指導する大人、親になり、子供の成長を見守るまっとうな大人たち。
ああ、本当に私はなにもない。学歴もなければ友達もいない仕事もできないお金もない彼女もいない。
ああ、自分はなぜまともでないのだろう。大人として失格、社会人として失格だけどそれがなにかわからない。
高畑裕太容疑者が強姦致傷のうたがいで逮捕された。母親の高畑淳子さんの記者会見をYoutubeでみた。
しんみょうな面持ちと態度、慎重にこどばを選び、息子がしたことで色々な方に迷惑をかけて申し訳ありませんと頭を下げている。さらしもの、公開処刑のようだ。とても辛い立場と状況だと思う。
私は女性に縁がないとはいえ、決して襲ったりすることはない。そういう面ではまともだ。
ただ、誰からも誘われることもない、話し相手もいないこの自分はやはりまっとうではない。誰かのせいにしたくても誰にも文句は言えない。
同棲している若いカップルが隣の部屋に住んでいる。休日は2人仲良く手をつなぎどこかへ出かけているようだ。
ごく普通のことなのだと思う。私はなぜいつも1人でいるのか。なんでこんなに暗くて重くなってしまったのか。どこに行き誰といてもきっと楽しめない。
夕方サイゼリヤにいき、ひとりで晩飯を食べた。ワイワイガヤガヤ話し声。家族と、友人と、恋人とほとんど誰かときている。
本をじっくり読もうとしたけど、フラッシュバックで苦しくなり読んでいられない。徹夜で勉強しようと思ったのに、結局いられず帰ってきてしまった。
ああ、またせまい部屋のなかをふらついている。後頭部を自分の手でくりかえしバシバシと叩く。母親に電話をかけ、なぜ親子でじっくり話をしてくれないのかと言いたくなる衝動にかられる。
自分はどこにいるのか。外に行ってもふらついている。
少年野球をみている。関係者と目が合う。誰も私を知る人はいない。人とまともな人間関係がきづけない。
あんたの居場所なくなっちゃうよ。昔いわれた母親の言葉を思い出す。あれはいったいいつのことなのか。
目が覚めたら、両親は70歳を超えていた。兄弟とはまるで連絡をとりあう関係でもなく、冠婚葬祭ぐらいにしか会うこともない。
どこかで自分の相手をしてくれる誰かを探してしまう。結局のところ、物心ついた時から強制された実家の宗教団体にいくしかないのかもしれない。